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方丈工房だより その29 

ついに 10.000HIT突破記念・7ft.06in.#4 と 10.000HIT突破記念〝Kamuy Santek〟 の仕上げ塗りです。やっぱり緊張する瞬間です

本日は木工の方丈工房と漆塗りの部屋とふたつの作業を行いました。

まずはいよいよ漆塗りの最終段階に入った 10.000HIT突破記念・7ft.06in.#4 と 10.000HIT突破記念・8ft.00in.#6/7〝Kamuy Santek〟 の仕上げ塗りです。これは当Custom Shop でも最上級機種に該当する塗りなので仕上げ塗りは2回施す予定で、本日はその第1回目です。そして本日は下塗り~中塗り、中塗り~上塗りに移った時と同様磨きを入れます。
前回の磨きは凸凹が激しかったため砥石を使用しましたが、今回は特に支障がないので炭粉を使用して磨き上げます。ざっと磨き上げて細かい凸凹を軽く砥石で磨いたら春慶漆を塗っていきます。

春慶漆を塗っていきます

仕上げ塗りは今までの塗りの保護と艶出しのための塗りです。
高級漆器等では木地呂色漆が使用される箇所ですが、当Custom Shop ではグレードがワンランク落ちるものの固着後の結束力が数段高い春慶漆を使用します…元々春慶漆はその名前から察しがつく通り仏師(仏像を彫る彫刻家…運慶等が有名)が使用した植物油を多く含有した透漆で、固着後の結束力に優れているのが特徴です。なにしろ信仰の対象に施す塗料が簡単にボロボロになっては信仰も信頼もヘッタクレもなくなってしまいますから頑丈な漆でないといけなかった訳です。そんな春慶漆を廉価版と最高級仕様に用いるのは私が坊主の孫だからかもしれません。そして春慶漆の最大の特徴は磨かなくても光沢を放つという点にもあります。実際磨かなくても製品として充分通用する仕上がりなので 7ft.06in.#4 は ¥100.000-、8ft.00in.#6/7〝Kamuy Santek〟 は ¥120.000- で販売する予定ですが、もう少々値段を下げてもいけるかな?と細かい計算をしている所です。

尚 10.000HIT突破記念で現在紹介しているロッドに限りプロトタイプという事で 7ft.06in.#4 は ¥50.000-、8ft.00in.#6/7 は ¥80.000- で販売しています。ここで紹介するということは『まだ売れていない』んですね。

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久々の登場です…充分コクソを固着させたランディング・ネットに磨きを入れます

続いて久々に登場のランディング・ネットです。こちらは 10.000HIT突破記念 のプレゼントで、もう受取人が決まっています。
コクソを「もうこれ以上縮まないだろう」というところまで充分固着させたので全体を均すためにサンド・ペーパーを掛けます。そして貼り付けた襖紙の凸凹をある程度均していきます…一般的な襖紙は意外と凹凸が激しくそのまま塗り込むと漆が固着する際部分的に厚塗りになり、〝チヂミ〟という現象が起こってしまいます。これは誰が何といっても失敗作になるので均していくわけですがそれなりに〝襖紙を貼った狙い〟があるのである程度均したら終了です。

カメラ位置が悪くてこんな写真になって分からないでしょうが…黒呂色漆を塗っています

そして水で洗って磨ぎカスを洗い流して乾燥させたら黒呂色漆を塗っていきます。
今回内枠に施すのは現在非公開で作業を進めている〝貞山〟とほぼ同じ行程で黒呂色漆と色漆とを駆使していきます。実際〝貞山〟との違いは貞山には襖紙は貼らない、ということくらいです。黒呂色漆を塗り上げたらロッド同様室に入れて本日の作業は終了です。

方丈工房での作業…生正味漆下地/生正味漆塗り立て仕上げ のグリップを成型しています

前回同様コルク・リングを〝チクワ状〟に接着して1日固着を待ち、本日 生正味漆下地/生正味漆塗り立て仕上げ 用のグリップを成型します。前回作成した 柿渋下地/春慶漆仕上げ 用のグリップは 約175mm ですが日本の渓流用ロッドではミニ・シガー 150mm が人気のようですね。実際プロトタイプの 175mm グリップだと少々間延びしたような雰囲気が否めません。そこで当Custom Shop でも 150mm で作成しようか、とも考えたのですがここまで短くするとこの形状にした意味がない(この形状にした理由は後日お話します)、という事で中間の 160mm で作成してみました。それに加えてグリップ径も半径 1mm 絞り込んでみました…わずか 1mmでも細いと握ったときの感触はまるで違ってきますからね。

という事で[ウラ話]では前回に引き続きグリップに仮組みして生正味漆下地/生正味漆仕上げブランクの〝製品イメージ〟を紹介していますので、興味のある方はご覧になってください。




 
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方丈工房だより その28 

いよいよロッド・ビルディングらしい作業に…グリップ先端はちょっと〝小技〟を入れています(ここではモザイクを掛けて色も落としていますが、[ウラ話]で公開しています)

今回はいよいよ〝ロッドの顔〟である グリップ作成作業に入ります。今までは 中野釣具店店長さん に言わせると『釣具というより伝統工芸』と言い得て妙な作業が続きましたがようやくロッド・ビルディングらしい作業に入りました。
フライ・フィッシングのグリップ、特に渓流のフライ・ロッドでは〝お約束〟、有名無名に関わらず猫も杓子もショート・シガーですがここまでショート・シガーが充満しているといくらブランクに国産最高級漆を使用しているといっても他との差異がぼやけてしまう…という事で考えに考えました。そして大体の形状は以前〝方丈工房だより その26 [さらにウラ話]でお話した通り、渓流用は Scott のグリップをベースに、湖沼と本流用はフルウェル考えていますが、グリップのデザインとサイズ詳細が決まっていませんでした。

昨日ようやくデザイン詳細が決定して早速 柿渋下地/春慶漆仕上げ に装着する最初の1本を作成する作業に取り掛かりました。
今回使用するコルクは 宮城県・大崎市にあるよろずや齋藤商店さんで扱っている〝最高グレード〟のコルク・リングから比較的スの多い物をセレクトしています…塗りの簡略化から〝廉価版〟と位置づけている 柿渋下地/春慶漆仕上げ では大量に取り寄せているコルク・リングの中から比較的質の落ちるコルクを使用します。とはいっても「最高グレードの詰め合わせ」なので AAA~Flor Plus くらいのグレードで、ルアー・ロッドのメガ@ス(せいぜいB~AランクのコルクをAAAAAと表記しているようですが)なんかよりはるかに質の良いコルクなんですけどね。
コルクのランクは特にこれといった判断基準が存在せず採取業者や中間取引に関わる問屋や販売に携わるディーラーの「言い値」すなわち〝テキトー〟に決められるのでメ$バスのカタログ表記がPL法に引っかかるかどうかはともかく、デザインの詳細が決まったら早速組み上げに入ります(尚当Custom Shopでは今回使用する物はAAA、生正味漆下地/生正味漆塗り立て仕上げ に使用するスの少ない物はFlor Plus と表記しています)。

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コルク接着の基本…接着面をサンドペーパーで軽く磨きます

知らない人はこの作業をすっ飛ばしてしまい大失敗するのですが、どんなメーカーのコルクでもまずは接着面をサンドペーパーで磨きます。というのもコルク保護と「できるだけ見栄えを良くする」ために出荷時にはコルクパテで表面を保護しているのでこの作業を省略するとパテの上から接着する事になるのでパテが剥がれたらせっかく作ったグリップが丸ごとバラバラになってしまう、というわけです。
だからと言って神経質になることはなくざっと磨けばOKです。

センター取り…穴なしのコルク・リングなのでセンターを探ってマーキングします

作成するロッド・ブランクによってグリップ位置の穴直径は違ってくる(今回のブランクでは 柿渋下地 は約8mm、生正味漆 は6.8mm)ので よろづや齋藤商店さん から取り寄せるコルク・リングは穴なしです。そこでセンター・ファインダーという小道具を使って中心を探し出し、マーキングします。

穴あけは慎重に垂直にセットしてゆっくりとドリルを貫通させます

センターを出したら穴を開けます…今回は 柿渋下地/春慶漆仕上げ 用のグリップでちょうど8mmの穴を開けます。慎重に垂直にセットしたらゆっくりボール盤で穴を開けていきます。ここで焦ってドリルを貫通させるとブレたり歪んだりと思わぬ弊害が生じてしまいます、素材が柔らかいだけに慎重に作業しないと大失敗の元なのでできる限り慎重に…

木工用ボンドで接着します

ここまで漆に拘っているのでここも漆を使用するのか?と思われる方もいるでしょうがここでは一般的な木工用ボンドを使用します…当然漆に拘っているのでここでの使用も考えましたが糊漆を使用すると接着面に線を引いたようにバッチリ目立って縞々のグリップになってしまうのです。だから接着面が目立たない木工用ボンドを使用したのです。
以上の作業を計14枚に施したら最初の写真のように全ネジに通して締め上げて12時間以上放置します。
ロッド・ビルディングの工房ではこの接着作業を全ネジではなくブランクで直接行うのが一般的になってきています。それはコルクを圧着させる際穴の内側にはみ出た接着剤のおかげでブランクにも接着もできて効率が良いというメリットがあるからですが、この後の〝グリップを整形する〟作業の際ルーターに固定するわけですがその時ブランクを傷付けかねないというリスクも生じます。当Custom Shop ではブランクに傷をつけたくないので全ネジに通して接着を行っています…と、ここまでが昨日の作業。

本日このコルクの〝チクワ〟にサンドペーパーを当ててグリップ成形を行いました。そしてついに頭の中で描いていたグリップがほぼ完成しました。ここまでは未接着の状態ですが[ウラ話]では実際にブランクに装着した状態を紹介しています。これが当Custom Shop の渓流用フライ・ロッドの形となりますので興味のある方はご覧になってください。




 
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方丈工房だより その27 

漆塗り完了2本目は 生正味漆下地/生正味漆塗り立て仕上げ〝うらたんざわ渓流釣場展示用〟 7’00”#4 です(手前; 奥は 柿渋下地/春慶漆仕上げ 7’00” #4)

ひっさびさのブログ更新です。
実は8月18日に漆塗りの作業に入ってブログを更新しなければならなかったのですが、何か気分が乗らなかったので更新をサボって…「巨匠か!(タカアンドトシ風)」ですがそれは冗談、本当は夏バテと手いっぱいにできたアレルギーのカブレが治って皮が剥けだして大騒ぎだったのです。埃ひとつに神経質になる漆塗りにあって手の甲や指先からボロボロ薄皮がめくれていては作業になりません。作業をストップしてボロボロ剥がれる薄皮を剥きながら医療用使い捨て手袋をオーダーしたりついでに作業机周りを片付ける道具入れをオーダーしたりと一見何もしていないようで色々やっていたんです。
で漆塗りを完了した 生正味漆下地/生正味漆塗り立て仕上げ『うらたんざわ渓流釣場展示用』7’00”#4 ですが、実は思い切り反っています…誰がどう言ってもバンブー・ロッドは自然素材を使用しているのでこの地球上に空気がある限り反りは避けて通れない宿命で、反りはバンブーに限らずブランクであればグラスでもグラファイトでもありうる話です。当然〝補正〟の作業に移っていきます。これがニスのドブ漬けやエポキシ塗りやオイル・フィニッシュだとひと苦労なんですが本物の漆だと補正はすこぶる楽なんです。だからこそ「実釣派こそ漆塗りのロッド」を推し進めるのですが実際のところこれを読んでいる皆さんは「え?どういう事?」と思った事でしょう。別に神秘的な理由というわけではないので補正の作業も作業が終了次第公開していきます。

ところでなぜこの 7’00”#4 ツー・ピース が展示用かと言いますと…

バット側に生じた大きなヒビ これは自然繊維の〝目の差〟によるもので実釣に影響は一切与えませんが…

バット側にこんなヒビがバックリできているからなんです。もっともこれはヒビではなくバンブー繊維のムラであって、どんなバンブー・ブランクでも(それこそAAA以上の最高級トンキン・ケーンでも)普通に生じているものです。傷とは違って表面的なもので深さ0.1mmに満たないムラなので実釣に影響は全くありません(仮に万が一傷だったとしても)し、むしろ下地に漆がしっかり染み込んでいる証拠なのです。もっと言えば安い漆や化学塗料では繊維のムラがここまでハッキリ出ることがないので気づかれていないというだけの代物ですが、しかし、このブランクに関して言えばちょっと尋常でないほど大きい。という事で販売はせずに展示に回した、というわけです。もちろんこれを誤魔化す技術はありますが、それを駆使するとせっかく透けて見える繊維が透けなくなってしまいます。今後生産するロッドにはこのような引っ掻いたような繊維ムラが見受けられる事でしょうが〝下地漆がしっかりくっつけている〟のでご心配なく。

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さて随分前に塗り上げを完了している 柿渋下地/春慶漆仕上げ 7’00”#4 と比較しますとすぐにその色味の差に気づかれることでしょう。しっかりと火入れを入れてこんがりと焼いたブランクとは根本的に違うブラウンである事がお分かり頂けると思いますが、このブラウンの色味も徐々に薄れていくのが〝本物の漆〟だけの特徴です。これは紫外線に反応して色痩せしているのですが、褪色して無様に黄ばむ化学塗料と違って漆は人間の肌よろしく年を取れば年を取ったなりの表情に変化するのです。言ってみれば「その人だけのブラウン」に成長してくれるのです。それは 柿渋下地/春慶漆仕上げ でも同様で下地の柿渋は新品~3年ほどの間に色味が濃くなる反面春慶漆の茶色実が褪色し透明になっていきます。まさに「弁柄丸出し」な色味に成長していきます。釣りとは直接関係のない部分ですが、そんな「成長」が楽しめるのも醍醐味です。

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調子に乗って外でも撮影…野外で見るとこんな感じです

太陽光の下で見るとこんな感じ…〝照り〟の違いがお分かりいただけるでしょうか。
本当は化学塗料のフィニッシュと比べるともっと分かりやすいのですが(今度撮影しておきます)当Custom Shop では〝廉価版〟と位置づけている 柿渋下地/春慶漆 ほど照り返しがないのがお分かりいただけるでしょうか?写真で見ると 柿渋下地 に白く飛んでいる部分が多いのは照り返しによるもので、当Custom Shop では狭いフィールドで15ft.前後の至近戦が多い渓流フライ・ロッドには最低限の照りに抑えられている 塗り立て を採用したのです。今後この塗りは源流用ロッドと湖沼用ロッド(中禅寺湖や芦ノ湖では渓流並みにロッドの照り返しに神経を使うフライマンが多いため)にも採用していく予定です。

さて塗りを終えたブランクの話はこのくらいにして18日と25日の漆塗り作業は以下の通りです。

8月18日
【10.000HIT突破記念・7ft.06in.#4】
 ・2回目の上塗り
【うらたんざわ渓流釣場展示用・7ft.00in.#4】
 ・仕上げ塗り
【10.000HIT突破記念〝Kamuy Santek〟】
 ・2回目の上塗り
【特別仕様〝貞山〟】
・2回目の上塗り
【ランディングネット】
・内枠のコクソ飼い
8月19日
【10.000HIT突破記念・7ft.06in.#4】
 ・3回目の上塗り
【うらたんざわ渓流釣場展示用・7ft.00in.#4】
 ・漆塗り作業終了
【10.000HIT突破記念〝Kamuy Santek〟】
 ・3回目の上塗り
【特別仕様〝貞山〟】
・3回目の上塗り
【ランディングネット】
・本日の作業はお休みです

となります。残りのブランクもあと少しで作業が終わってしまうんですね。相変わらずの作業の連続ですが[ウラ話]でダイジェストで紹介しています。加えて今回追加購入した備品なども紹介しておきますので興味のある方はご覧になってください。




 
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方丈工房だより その26 

本日届いた窓付けクーラー♪ 早速取り付けて快適な塗り部屋の完成です

一昨日 ムラウチ楽天市場店で在庫処分セールをしていた窓付けクーラー(除湿機能付、最後の1台…リンク先は同価格別メーカー)をオーダーしたのですが、お盆だというのに本日届きました。やはり在庫処分セールだとレスポンスがよくて良いですね。というわけで早速「30分程度で取り付けられます」という謳い文句を信じて取り付けを行い40分ほどで装着完了。何しろ北海道や東北で37℃だ38℃だと騒いでいるんだ、横浜でクーラーがないと仕事になりません。しかしこの窓付けクーラーを見ると新潟から上京してきた大学時代の友人の事を思い出す。

さて快適な塗り部屋になったところで本日は少々気合を入れて作業を行わなければなりません。
【10.000HIT突破記念・7ft.06in.#4】
 ・1回目の上塗り
【うらたんざわ渓流釣場展示用・7ft.00in.#4】
 ・3回目の上塗り
【10.000HIT突破記念〝Kamuy Santek〟】
 ・1回目の上塗り
【特別仕様〝貞山〟】
・1回目の上塗り
【ランディングネット】
・内枠の下地固め
うらたんざわ渓流釣場展示用ロッドはついに最後の上塗りです。残りのブランクもついに上塗りに突入、といよいよ詰めの段階に入ってきました。そしてランディングネットも久々に作業再開、内枠の下地固めを施します。

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まずは久々にランディングネットの作業から。

襖紙を貼り付けた内枠に生正味漆を染み込ませます

和紙は丈夫だと言っても所詮紙は紙、漆を染み込ませて強度を上げます。これは「紙漆」という漆芸品にも見られる手法で極端な話紙で作った皿や器も漆を施す事で下手なプラスチック製品より使える器ができてしまうのです。今回はランディングネットの枠を補強するのとデザインのアクセントとして施しています。たっぷり希釈した漆を塗り込んだら室に入れて本日の作業は終了です。

続いて 〝貞山(非公開)〟 と 透かし朱溜塗り仕上げ の2本のロッドの1回目の上塗りですが、上塗りに移る前に久々に〝磨き〟を入れます。ブランクの作業については[ウラ話]で紹介しています。興味のある方はご覧になってください。





 
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方丈工房だより その25 

中間報告…手前から 生正味漆・塗り立て仕上げ 春慶漆・透かし朱溜塗りX2 どちらがお好みですか?

皆さんはどちらがお好み?
手前から 生正味漆・塗り立て仕上げ(7’00”#4 ツー・ピース)と透かし朱溜塗り仕上げ(手前:8’00”#6、奥7’06”#4) です。どちらもよーく見るとバンブーの繊維が透けて見えるのがお分かりでしょう。塗り立て仕上げに見える黒いシミはバンブーのシミではなくノード(竹の節)に生正味漆下地が染み込んだ部分で、漆がしっかりノードの隙間を補強している証拠です。個人的には生正味漆の渋い輝き(一切磨いていません)が気に入っていますが、透かし朱溜仕上げの SAGE や G-Loomis 等のアメリカ製グラファイト・ロッドにもありそうな色合いも捨てがたい…真ん中と奥の色合いが違って見えるのは光の入射角度の違いでもたらされる現象で、狙い通りの仕上がりに近づいています。
あと何度か塗りを施せば塗りは完了ですが、ここで気になるのが春慶漆の艶です…元々春慶漆は磨かなくても磨いたような艶を出すのが特徴で、まだ中塗りの段階でご覧の通り見事な艶が出ています。どうもこのまま上塗り~仕上げ塗りを施したらたいして磨かずに、下手すると磨かないままでも十分艶が出てくれそうです。大変結構な話ですが、予定価格を ¥100.000-(#3 or #4 の場合) と設定してみたものの磨かないで済むのなら(コストダウンに繋がるので)もう少し値段を下げてもいいかな?などと考えています。

皆さん、この色でこの艶の 透かし朱溜塗り仕上げのロッド は ¥100.000- で高いと思います?安いと思います?

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さて湿疹と酷暑のおかげですっかり作業が停滞してしまったバンブーブランクですが、昨日 ムラウチ楽天市場店で在庫処分セールをしていた窓付けクーラー(除湿機能付、最後の1台…リンク先は同価格別メーカー)をオーダーし、お盆の最中だというのにしっかり発送が済んだと連絡が来てすっかりやる気を取り戻しました。本日はまだ暑苦しい塗り部屋で我慢の作業再開です…明日にはクーラーが来る、今日だけ我慢…それにしても今年の残暑は殺人的です。

という事で本日は少々ゆったりペースで
【10.000HIT突破記念・7ft.06in.#4】
 ・3回目の中塗り
【うらたんざわ渓流釣場展示用・7ft.00in.#4】
 ・2回目の上塗り
【10.000HIT突破記念〝Kamuy Santek〟】
 ・3回目の中塗り
【特別仕様〝貞山〟】
・3回目の中塗り
【ランディングネット】
・本日はお休み
を施しました。

いつもの通り、漆を丹念に塗り上げていきます

相変わらず漆を塗って和紙で拭き上げ室に入れて終了、です。うらたんざわ渓流釣場展示用ロッドのブランクはあと2回塗りを施せば終了、あとのロッドも4回ほど塗りを施せば終了です。いよいよ、というよりようやく終盤戦に差し掛かりました。

さて今回は「自分で漆を塗ってみよう」とご覧になっている人の目線に立って、最も無理難題と思われる〝室(むろ)〟についてウラ漁師流の変化球を紹介します。室は漆塗りばかりでなくニスやエポキシ等の化学塗料でも充分役に立つアイテムなので[ウラ話]で紹介しています。興味のある方はご覧になってください。




 
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眠い…のにはわけがある 

お盆は本来先祖供養のためにあるのですが、たいていは遊んじゃいますよね?

もうお盆ですねぇ…毎年恒例の民族大移動、平日だと片道2時間もあれば行けてしまう道も大渋滞で10時間、おまけにこの暑さで頭はボーっとして…で本日も玉突き衝突事故があったようで、被害に遭われた皆様へお見舞い申し上げると共にその他の皆様も「俺にゃ関係ない」と知らん顔せずに無理だけはしないでくださいね。さらに目的地に着いても暑さでボーっとしているうえに日頃の疲れも顔を覗かせて、ひっさびさの自然相手の遊びにカンも狂って…今年は水難事故や山での事故も例年より多いようです。自信を持つのも結構な事ですが、くれぐれも無理だけはしないで余裕を持って遊んでくださいね。

と老婆心丸出しですが、ここに来て久々の方丈工房以外のネタです。
ご存知の方もいる事でしょうが、私は例年この民族大移動のときはまるで動かずじっとしています。そもそも渡来人の血の薄い縄文人末裔率70%以上の血がこんな『右へ倣え』な騒ぎに激しい抵抗感を覚えるのがその理由のようですが、今年は特にHPの10.000HIT突破記念と〝URARYOUSHI Custom Shop〟のロッド作成に時間を取られ初釣り以降釣りに行けない!という異常事態に。今月中には狙っている川へ遊びに行けるのではないか、と期待はしているのですがこの辺もどうもアヤシイ…
というのもここ1週間ほどやけに眠い。眠くてブログの更新もままならない。何しろ原稿を書いている最中に眠くなってしまうのだから。これは20℃を越えると途端に活性が鈍る私の習性もあるのですが、別にれっきとした理由がありまして。

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原因は現在服用している薬にありまして…もちろん使用したら警察のご厄介になるようなヤバイものでもなければ法律スレスレのもっとヤバイものでもない、ちゃんと医者の処方箋に従って服用している薬なんですが、これがオッソロシクやる気をなくすほど眠くなる副作用があります。なんだそりゃ?どんな薬だよ?ですが、セレスタミン錠という炎症やアレルギー反応を抑える薬なのです。
先日漆には免疫があるがゴムにはアレルギーが、という話をしましたが、糊漆で使用している中国産瀬〆漆を使用していたらブワッっと左右の二の腕が一面カブレてしまいまして…なにしろ痒さのあまり吐き気を催すほど、そんなもの見慣れているはずの皮膚科のセンセーも引いてしまったほどの勢いで「よくもまぁ我慢できたわね」とセンセーが呆れるほど。そこで処方してもらったのがリンデロンVG軟膏という塗り薬とセレスタミン錠だったわけです。

ではなぜカブレたか…皆さんもご存知の「今週のうらたん情報」でお世話になっているうらたんざわ渓流釣場の井上さんに何か漆器を作ってやろうと見回したところ使っていないお土産用の灰皿がありまして、「そうだ、どうせならこれを塗り直してひとつプレゼントしてやるか」と思いついた。ここまでは良かったのですが、糊漆で使用する瀬〆漆を下地に使ってみよう、と思いついたのが悪かった。私のCustom Shop では国産生正味漆を下地に使うという狂気ぶりですが、たいていの漆製品はカシューでなければ下地は瀬〆が一般的なので「試しに」と塗ってみたんです。
で、一部塗りに気に入らない部分があったのでサンドペーパーでガシガシ剥がしていたら…砥の粉が履いていたジーンズに付着してそれが胡坐をかいた際腕に付着して…気がついたらボッコボコに腫れていた、というわけ。
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このところ何かとお騒がせな中国製品ですが、くれぐれも「だから中国製は…」なのではありません。漆の成分・ウルシオールに反応する人にとっては中国製も日本製もなく漏れなくカブレてしまいます。私のようにゴムアレルギーだと含有されているゴム質の多い中国製漆には反応してしまうのです。実際中国製の漆は日本製の漆よりゴム質が多く含有されていて、これが仕上がりの手触りや透明度に大きな差となって現れてくるようです。

で「薬を飲んで作業すればいいか」と軽い気持ちでいたのですが事の他眠い…薬の副作用だから仕方がないのですがまるで飯喰いながら眠ってしまう赤ん坊状態で、とてもじゃないが作業ができない。薬飲んで良かったのは熱帯夜でもグッズり眠れてしまう事くらい…もちろんただ眠っていただけじゃありません。それなりに色々やっていたんです。

ロッド完成のメドが立ってきたので新たな展開を考えてリールを、試し振りのためにバンブー用フライラインをオーダーしました。それはどんなものかといえば…[ウラ話]でお話していますので、おヒマなら見てよね♪




 
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方丈工房だより その24 

見せることのできるギリギリの症状 左手甲に漆かぶれとは明らかに違う腫れ物が…これでもかなり良くなってきたのです

さてゴム手袋でできた湿疹が洒落にならないほど痒くなって皮膚炎の薬を塗ったのはいいのですが、薬がべとべとするものだから漆塗りの作業ができません。漆そのものは化学薬品くらいどうって事ないのですが、作業を考えると薬でベトベトの指でブランクを持って塗っていったら…都合が悪いのはお分かりですよね?そこで泣く泣く作業を休止していました。何しろ細かい水ぶくれが数の子のようにビッシリと…写真に撮ると気持ち悪いので割愛します。

そこで時間ができたのをいい事に「木地呂色」と表記している問題について検討しました。
作業手順だけを見ると生地呂色と同等、素地であるブランクの繊維が見える塗りという事で便宜上「木地呂色」と表記してきましたが、〝木地呂漆ではなく春慶漆を使用している〟〝下塗りは木地呂色ではなく生正味漆〟〝中塗りにわずかに朱の顔料を混ぜている〟点から絶対に木地呂色とは呼べません。まだカタログHPも完成していませんし通販サイトもオープンしていないので今のところ問題ありませんが、このまま「木地呂色」と呼び続けていたらJAROあたりからクレームが来かねません。もっとも巷にはペンキ塗りなのに〝うるし〟と言って憚らないなんちゃってうるし製品が溢れているのでそれに比べればかわいいものですが…

いずれにせよ『真意に悪意があるにせよないにせよ、嘘は良くない』という事で名称を考えました。
最も近い手法は仙台箪笥でも高級機種に施される〝朱溜塗り(しゅだめぬり)〟に近いものですが、透明度のない色漆を塗って上塗りに半透明の漆を塗って初めて「溜塗り」と呼ばれます。当Custom Shop で施される塗りは「木地溜塗り」と呼ばれるものに最も近いので〝朱木地溜塗り(しゅきじためぬり)〟と呼んでもいいのでしょうが…ハッキリ言って響きがいまひとつピンと来ない。そこで色々と検討した末
透かし朱溜塗り(すかししゅだめぬり)
と命名しました。今後木地呂色と呼んでいたグレードは 透かし朱溜塗り と表記します。

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という事で本日の作業手順は…
【10.000HIT突破記念・7ft.06in.#4】
 ・2回目の中塗り
【うらたんざわ渓流釣場展示用・7ft.00in.#4】
 ・1回目の上塗り
【10.000HIT突破記念〝Kamuy Santek〟】
 ・2回目の中塗り
【特別仕様〝貞山〟】
・2回目の中塗り(非公開)
【ランディングネット】
・ネット枠内側の細工…固着待ち
を施しました。ネットに施した糊漆は固着したのですが、2箇所に糊不足による浮き上がりがあったので再度糊漆を捩じ込み再度固着を待ちます。これが済めば内枠に変わり塗りを施して外枠とグリップに漆を施して…となるのです。

特別配合の色漆を施していきます

【透かし朱溜塗り仕上げ】
10.000HIT突破記念、〝Kamuy Santek〟は2回目の中塗りです。当Custom Shop 規定の調合で顔料を合わせた春慶漆を塗っていきます。

塗っては和紙で拭いてまた塗ってはまた和紙で拭いて…これを最後まで施します

【生正味漆塗り立て仕上げ】
うらたんざわ渓流釣場展示用は1回目の上塗りです。ここでも頑固に生正味漆を摺り漆で施します。あと2回上塗りを施して仕上げのひと塗りを施せばこのブランクは完了です。

さらにリールパイプに漆を施して久々の作業が完了しましたが、和竿で一般的に使われている瀬〆漆と生正味漆では同じ漆でもこうも違うものか、と改めて実感させられました。当Custom Shop では塗りに使用する生漆は生正味のみ、と決まっていますが試しに人にあげる漆器に生正味と瀬〆の両方を下地に施してみましたが…瀬〆は色合いも薄く触ると蝋のようなヌメヌメ感があるのに対して生正味は色合いも濃くザラザラとささくれ立ったような感触があるのです。もちろん生正味はサンディングを掛けるとシットリとした肌触りになって生漆らしい琥珀色になるのですが、なるほど中国産瀬〆と国産生正味ではここまで違うか、と改めて確認させられました。

この違いはいずれ写真で説明したいと思いますが、個人的にはやはり生正味漆の透明度の高い琥珀色が好きですね。





 

方丈工房だより その23 

左から 上塗り1回目/中塗り2回目/下塗り3回目 が終了したブランク…ここから仕上げ毎に手順が違っていくのです

ブランク…ここから仕上げ毎に手順が違っていくのです)
さて昨日は手に驚くほどの湿疹が…なんじゃこりゃby松田優作(懐)と原因を調べると、どうやら使用している手袋に原因があったようです。漆にはバッチリ免疫があるのですがゴム手袋に施されている粉には免疫がなかったようで、昨日は大事を取って作業をストップしました。今でも湿疹が少々残っています。

さてブランクは写真を見ての通り渋い艶を放ち始めています。ここまでは摺り漆オンリーの単純な作業が続きましたが、本日からは〝木地呂色〟と〝生正味漆塗り立て〟と仕上げに応じた作業に移っていきます。尚漆芸本来の〝木地呂色〟と当Custom Shop で施す仕上げはまるで異なるもので便宜上木地呂色と呼んでいます。何か良いネーミングはないものか、と考えてはいるのですが…
さらに先日〝糊漆専用〟としてオーダーした 中国産・瀬〆漆 が届き、本日オーダーしていた漆刷毛が到着したのでランディングネットの作業が再開できます。今回はやり直しをいい事に少々凝った塗りを施していきます。

という事で本日の作業手順は…
【10.000HIT突破記念・7ft.06in.#4】
 ・2回目の上塗り
【うらたんざわ渓流釣場展示用・7ft.00in.#4】
 ・3回目の中塗り
【10.000HIT突破記念〝Kamuy Santek〟】
 ・1回目の中塗り
【特別仕様〝貞山〟】
・1回目の中塗り
【ランディングネット】
・ネット枠内側の細工
を施しました。実はうっかりしていて 10.000HIT突破記念ロッド は木地呂色とアナウンスしていたのに塗り立ての手順を踏んでしまって…今さらですが、もはややり直しはしたくないほど高度な塗り上がりを見せているので現状から本来中塗りに施す漆を塗り込んでいきます。このような重ね塗りを施してもまだアクションに悪影響を及ぼさないのだから「漆で良かった」です。一体何重に重ね塗りされているのか…これだけの塗りを重ねればもっと高いお金とってもいいんですけど、現状価格を維持して販売します(これ1本限り)。

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木地呂色仕上げのブランクは磨いていきます…まずは荏油をブランクに塗ります

木地呂色仕上げのブランクは中塗りに入る前に表面を均す目的で磨きます。この磨く方法も、以前はコンパウンドを採用していましたが、大きく変更を加え漆芸で古くから用いられている〝炭粉〟を採用しました。炭粉は少量で磨く事ができる上安価で大変よろしいのですが、如何せん炭なのでとてつもなく汚れるんです、手や服や部屋が…
まずブランクに荏油を塗ります。これは今までと同じ。

キッチンペーパーに炭を擦り付け、軽く撫でるようにブランクを磨きます

大きく違うのはここ…炭粉を少量キッチンペーパーに取り、軽く撫でるようにブランクを磨くとブランクは真っ黒になります。ついでに手も爪の間も真っ黒になりますが、こればかりは仕方がない。

再度キッチンペーパーで拭き取ると表面はツルツル・ピカピカ

新しいキッチンペーパーで空磨きして水拭きすると、皮膜表面はツルツルになります。実はこの方法のほうがはるかに効率が良く少量の炭で綺麗になります。分かってはいたのですがやはり部屋が汚くなるのは…と躊躇していたのですが、先人の知恵は素直に聞くべきです。

これで木地呂色仕上げ用ブランクは中塗りのための準備が整いました(塗り立ては一切磨きを施しません)。[ウラ話]ではこの作業の続きとランディングネットの細工の作業進捗を紹介しています。興味のある方はご覧になってください。





 
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